今回は、約25年フライパン開発に携わってきた当社の商品開発部「Y部長」が、今まで経験したことがない驚きのフライパン事例を記事にしてくれました。その原因と正体に迫ります!
ある投稿がX(旧Twitter)で話題に!
当社のSNS担当者がユーザー様の調理道具に対しての不満や隠された要望に日々注意をはらっている中、X(旧Twitter)で下記の投稿を発見しました。
母上が「フライパン壊れた。真ん中から・・・」っちうから、取っ手が真ん中から抜けたのかと思って見に行ったら・・・いやそれは流石に想定外だわ・・・ pic.twitter.com/IjkRmQDMvb
— 所長 (@syochou) September 16, 2023
社内で推理!
記事が投稿されたのは9月16日(土)。翌日、SNS担当者が記事を発見。
そして3連休明けに、偶然にもニュースサイト「Sirabee(しらべぇ)」様から、この投稿について一般的なフライパンの構造についてメーカーの見解を求める連絡がSNS担当者に届いたのです。
運がいいことに、たまたま出張で来ていた私(Y部長)とSNSチームで話が盛り上がり……
SNS担当者:「鉄フライパンでしょうか?」
SNS担当の上司:「ハンドルが違うし、アルミ製のフライパンみたいだね。」
私(Y部長):「なんだこれー!!?25年間フライパンを触り続けているけど、マジで初めて見たわ。ここまできれいなドーナツ状に抜けてる物って。相当レアで現物を見て見たいよなぁ」(興奮)
SNS担当者:「分かりました。こちらの要望のSirabee(しらべぇ)様に伝えてみます!」(ドキドキ)
写真だけでの判断は、フライパンメーカーを公言している当社として納得できないため、Sirabee(しらべぇ)様と投稿者様に無理を言って現品を引き取らせていただき、調査を行うことになりました。記事発見からSirabee(しらべぇ)様への打診までわずが3日。とんとん拍子に話が進んだことに、運命を感じられずにはいられません。果たして、どんな現物が届くのか・・・。
※以下、Sirabee(しらべぇ)様の御厚意により同一内容の記載許可をいただいております。
母が10年使用したフライパン、第2形態に目を疑う… メーカーは「奇跡が起きている」と興奮
それから約2日後・・・
投稿者様より送って頂いた現物を梱包から出すと、黒い物体が姿を現した。
実に美しく底が抜け落ちており、きちっと位置を合わせてはめ合わせることが可能なのだ。
失礼をあえて承知の上で言うと、外面は正直、油汚れと思われるものがこびりついてかなり汚れている。〜後編〜で詳しく説明するが、この汚れが奇跡を生んだのかもしれないとだけ、この場では書かせていただく。
なお内面の状態を確認したところ、ふっ素樹脂のこびりつかない膜(トップコート)の層が、なくなっている状態。にも関わらず、内面はお手入れをしっかりされ使い続けて頂いていることに対して、敬服の念を抱かずにはいられません。
また、電子顕微鏡で内面を観察すると、ベースコートと呼ばれる下地のみの状況となっていることが確認できる。
原因としては間違いなく角(薄い)部分から、膨張・収縮を繰り返した結果の金属疲労による破断であると結論づけられる。しかし、なぜ、突然丸く穴が開いてしまったのか?そこに至るまで兆候はなかったのか?等、さらに究明した様子を〜後編〜でお届けします。
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「Y部長」はこの人です。