普段仕事が忙しいと、料理はついラクをしがちです。
「今日は残業して遅くなったからコンビニ弁当で済ませよう…」
「金曜日だし外食して帰ろう…」
家で料理をしても工程が少なく、短時間で作れるものを選びがち。
休日は普段作らないようなインスタ映えご飯やカレーもスパイスから作ってみたりと、
料理時間を気にせずに作ることを楽しんでみてはいかがでしょうか?
低温調理で24時間角煮を作りたい
今年に入ってから低温調理器を買いました。
低温調理とは、別名「真空料理法」と呼ばれるものです。
1979年にフランスでジョルジュ・プラリュによりフォアグラのテリーヌの調理のため開発された調理法のひとつだそうです。
「焼く」「蒸す」「煮る」など現代では様々な調理方法がありますが、この真空調理法は第四の調理法とも呼ばれています。
食材を下処理し、ジップロックなどの袋に入れて一定の温度のお湯で調理します。
▼初めて作った低温調理ステーキ
真空パック中で調理、調味が行われるので、材料の旨味を逃さず均一に調理することが可能になります。空気は水より熱の伝導率が悪いため、真空にすることにより熱の伝導率を上げるのです。
この真空度合いを上げるための本格的な真空機があったりしますが、業務用で1台30万ほどします…そこまでしなくても、お湯に入れながら空気を抜けばOKです。より精度を高めたい場合は検討してみてください。
また、低温調理は一緒に入れる調味料がとても少なく済みます。
これは浸透圧という化学の応用になります。
この浸透圧を簡単に説明すると、濃度の異なる2つのものは濃いものは薄い方に、薄い方は濃い方に移動して最終的には同じになるまで繰り返される原理のことです。
袋の中に入れたお肉と調味料の濃度を一定にしようという働きが起こるので、お肉に味が染み込みやすくなるのです。
低温調理するとお肉がびっくりするほど柔らかくなる
これが一番のポイントなのですが、タンパク質が硬くなり始める温度(分水作用)は63℃〜70℃となっています。
つまり加熱温度が上がれば上がるほどお肉は硬くなります。
▼低温調理で作ったローストビーフ
フライパンで調理した場合、表面温度は200〜300℃を超えていますので、お肉が硬くなってしまうのはしょうがないのです。
じゃあタンパク質が硬くなる温度より低ければ柔らかいお肉が食べられる!
そう思いますよね?
理論的にはそうなのですが、お肉にはたくさんの細菌が付着しています。
食中毒のことを考えると、菌を殺すためにある程度加熱しなければいけません。
食中毒を起こす菌は大体64℃で死滅します。
ということは、65〜70℃で低温調理すると最高のお肉が食べられるということです!
※調理温度に関してはよくご確認のうえ自己責任でお願いします。
6時間と24時間で低温調理角煮を比較
前置きが長くなりましたがここから角煮を作っていきます。
今回は比較のために6時間低温調理したものと、24時間低温調理したもの2つ同時に実験してみます。
<材料>
- 豚バラブロック…1かたまり
- 長ネギの青い部分
- 生姜…小さじ1
- 砂糖…大さじ1
- みりん…大さじ2
- しょうゆ…大さじ3
- 酒…大さじ5
少し手で揉み込んでなじませます。
24時間のタイマーをかけて低温調理を開始!
現在14:00、すべては明日のお昼に食べるため…のんびり待ちましょう。
個人的に、低温調理は一人暮らしに超おすすめです。
食材を袋に入れて待つだけなので、めちゃくちゃ楽です。
フライパン調理と違って、ずっと見ている必要はありません。
出来上がるまでは本を読んだり他のことに時間を使うことができます。
待つこと24時間、できあがり!
待つこと24時間、ようやく食す瞬間が参りました。
まずは見比べてみましょう。
((どうしよう…見た目がほぼ変わらない…))
せっかく24時間も低温調理したのに、違いが出ないんじゃないか…
実験結果変わりませんでした!なんてそんなことになったら撮れ高がなくなる…
食べてわかる、その柔らかさ
まずは6時間の方から実食!
…
んー美味しいけどなんか硬い?
豚バラは脂身が多いため、なんとも言えないラード感と噛みづらさがありました。
部位的にしょうがないかなとも思いました。
かなり大きいので切れないと食べづらいのです。
(洗い物も増えてめんどくさい)
続いて24時間角煮を実食…
…
んんんん!!?
なにこれ!
全然柔らかさが違う!
6時間角煮とは違って溶けるような柔らかさ…
調理時間でここまで違うのか…
と驚きを隠せません。
こちらは24時間角煮
一目瞭然で脂が裂けていきます。
脂が柔らかくなっているのがよくわかりますね!
長時間調理の楽しさ
他にも24時間煮込んだカレーなど長時間調理は大変奥が深いです。
みなさんも休日は今まで挑戦できなかったことをしてみませんか?