Web担当のやまやです。
包丁のプロフェッショナルに包丁の事をいろいろ聞いてみようというこの企画、今回もやまやがお届けします!
包丁の切れ味が長持ちする要因の一つにまな板が関係している事、皆さんはご存知でしたか?
今回は、包丁のプロの視点から見た、おすすめのまな板をご紹介します!
お話を伺ったのは日本有数の燕三条製包丁メーカー、藤次郎株式会社さんのナイフギャラリー責任者小川さんです。
毎回ためになるお話を聞かせていただき、大変感謝しております!今回もよろしくお願いします!
まな板の素材・包丁との関係
皆さんは、どんなまな板を使っていますか?
私はプラスチック系のまな板をいただく機会が多く、家には常にストックがある状態です。
そのため、「たくさんあるから」と言う理由でプラスチック系まな板を気軽に使い捨てていましたが、これはエコの観点以外にも、包丁にとって良くない事があったようです…。
樹脂(プラスチック系)のまな板は衛生面に優れていて、昔ながらに使われてる木のまな板は刃に優しいという特徴があります。
【樹脂のまな板】
衛生面に優れている
【木のまな板】
包丁の刃に優しい
ポリプロピレンやポリエチレンなどの樹脂系のまな板は、衛生面を気にされる方が多くご使用になっていると思います。ですが、樹脂系のまな板は「硬い」という性質があります。
実は、樹脂のまな板を使用されている方の包丁は、研ぎの頻度がとても多くなっています。
包丁の刃に対して、接触する食材自体はそれほど硬いものは多くないことから、常に接触するまな板によって刃先が劣化していくことがわかると思います。
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樹脂のまな板(プラスチック系)は衛生面に優れていますが、包丁の刃の観点から見ると劣化を進める要因になっているそうです。
包丁の切れ味は調理を行う上で大切な物です。毎日の料理に使う包丁は、やっぱり、長く快適に使っていきたいですよね。
包丁の切れ味は、まな板によって左右される
樹脂のまな板は硬いので、高い頻度で使用していると包丁の刃が傷んでしまいます。
「研ぎ直しの頻度が早いかも?」という場合は、まな板を見直すと切れ味の持ち加減が変わると思います。包丁の切れ味を長持ちさせたい場合、樹脂のまな板を木のまな板に変えていただくことも良いと思います。
そして、もう一つお勧めしているのはゴムのまな板。
ゴムのまな板を使用している包丁の研ぎの頻度は、樹脂のまな板に比べて少なくなっています。
包丁を研ぐ必要もほとんどなくなり、刃の持ちが良くなるので、弊社では基本的に柔らかいゴムか、木のまな板お勧めしてます。
ゴムのまな板とは?
ぱっと見ただけでは樹脂製ように見える、ゴムのまな板。
触った感じも樹脂のようですが、樹脂並みの硬さを持っていても、刃あたりが優しいのが特徴だそうです。
売り場では、素材の品質表示が「天然ゴム」と書かれています。値段は樹脂に比べると高いですが、「衛生面も良くて刃持ちも良くなる一段上の素材」とイメージすれば納得できるものかと思います。
「木のまな板はお手入れや衛生面で心配」と言う方は、ゴムのまな板も検討してみてはどうでしょうか。
木のまな板のお手入れ方法
刃に優しく、包丁との相性が良い木のまな板。しかし、「匂いが気になる」とか、「カビが出てしまう」なんて声を聞くのも事実です。
そんな難しいイメージのある木のまな板ですが、お手入れ方法を覚えてしまえば簡単です!
「木のまな板は反ったりカビが生えたりと、扱いが大変」と言われることもありますが、適切な扱い方を知れば大丈夫です。
まず、まな板は必ず反りが出てしまいますが、使えなくなる訳ではありません。反ってしまった場合は水に浸けて、日陰に干していただくと元に戻るので、変わらず使い続けることができます。
また、反りは木目を立てると出にくくなるので、普段の収納時に工夫をしても良いかもしれません。
そして、洗い方と使い方についてのポイントです。お寿司屋さんなどに行くと必ず板前さんが行う、「まな板を布巾で拭く動作」が重要になります。
手順としては、まずまな板に水をかけて布巾で拭き、食材を切った後にまた必ず布巾で拭く。
この動作で木のまな板に水の膜を作るので、木の臭いや魚の臭いがお互いに行き来しません。これを繰り返しているとまな板も臭くならず、また、まな板の臭いが食材に移ることもありません。
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木のまな板のお手入れをまとめると、
- 反ってしまった場合は水に浸けて、日陰に干していただくと元に戻ります
- 反りは木目を立てて収納していると出にくくなります
- 木のまな板を使うときは、まず水をかけて布巾で拭き、食材を切った後にまた必ず布巾で拭きます
まな板を拭くことを癖づければ、臭いなどの衛生面はもちろん、表面に水の膜を作ることによって乾燥を防ぐ事ができます。
お話に出てきた板前さん。例えば実際に見た事がなくても、テレビの中でまな板を自然に拭いている姿を見たような…。
とても理にかなっている手順だったんですね。
布巾を用意するひと手間で、木のまな板が綺麗に長く使えます!
また、厚みがある木のまな板を選べば削り直しがでるので、木のまな板に歪みや黒ずみが出てしまっても、表面を削るカンナがけを行えば長く使うことができますよ。
包丁とまな板、どちらも大切!
包丁とまな板は、言葉の通り(!)切っても切れない関係にあります。
包丁を使うなら、まな板も用意しなければなりません。
切れ味の持ちを重視したり、衛生面を重視したり、手軽さだったり…まな板を選ぶポイントは人それぞれです。
是非この記事を参考に、自分に合ったまな板を見つけてみてくださいね。
藤次郎ナイフギャラリーのご紹介
お話を伺わせて頂くのにお邪魔した藤次郎ナイフギャラリーは、藤次郎株式会社様の製品に見て触れて楽しむことができる施設です。
製品を実際に手にとってご覧いただけるだけでなく、キッチンスタジオで料理教室に参加したり、メンテナンスルームで包丁の状態を確認したりと、多目的に藤次郎製品と関わっていただくことのできる複合施設となっております。
藤次郎ナイフギャラリー
開館時間:10:00~18:00(工場見学は17:00まで)
https://tojiro.net/openfactory/
定休日:日・祝日
連絡先:0256-93-4195
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