Web担当のやまやです。
包丁のプロフェッショナルに包丁の事をいろいろ聞いてみようというこの企画、今回は番外編をお届けします!
これまで、燕三条製包丁メーカー、藤次郎株式会社さんのナイフギャラリー責任者小川さんにお話を伺ってきました。お世話になり、大変感謝しております!
第一回から第四回まで包丁についての様々な内容に触れてきましたが、実はこれまでの記事に入っていないこぼれ話もありました。
そこで今回は、これまで記事に入れられなかった内容をまとめていきたいと思います。内容にばらつきもありますが、とてもタメになるお話ばかりですので是非ご覧ください!
三徳包丁の次の一本にオススメ!刃渡り12cmのペティナイフ
三徳包丁を持っていて、次の一本をお考えでしたら、ペティナイフの小さいサイズ(刃渡り12cm)をおすすめします。
ペティナイフは牛刀(万能包丁)の小さいタイプです。海外で牛刀は「シェフナイフ」と呼ばれいて、シェフが使う万能型です。そして、その牛刀の小さいものがペティナイフになります。
フルーツの皮むきや、ちょっとした調理であればペティナイフを使っていただいた方が手軽に作業が行えます。
焼鳥屋さんによく行く方はご存知かと思いますが、調理のほとんどをペティナイフで行っています。鶏を切ることもできるので、ペティナイフはおすすめの一本です。
しかし、千切りはペティナイフで行えません。幅が狭いので、手がまな板に当たってしまうからです。通常の調理は三徳包丁で行い、ちょっとした皮むきや調理はペティナイフ、と使い分けをすると良いと思います。
ペティナイフは刃渡り15cmのものや、18cmのものがありますが、三徳包丁は刃渡り17cmのものが多いので、長さが近いと使い分けしにくくなってしまいます。ですので、「三徳包丁は持ってるよ」と言う方には、刃渡り12cmのペティナイフをお勧めします。
【ペティナイフ】
- フルーツや野菜の皮むきに便利
- 千切りは苦手
- 三徳包丁を持っている場合は刃渡り12cmがおすすめ
- ペティナイフは牛刀(万能包丁)の小さいタイプです
フルーツナイフ(果物ナイフ)とペティナイフの違いって?
ペティナイフとフルーツナイフの違いですが、フルーツナイフは値段が安くて鈍角になっています。皮剥き専用のナイフなので、ペティナイフの代用は望めません。
フルーツナイフはテーブルなどに持って行き、その場でリンゴなどの果物を剥くため、鞘(さや)付きであることが多いです。
用途的にはフルーツナイフもペティナイフも同じものですが、材質や作りに違いがあります。フルーツナイフは果物を切りやすいように特化していて、鞘付きで安価なものが多くなっています。
ペティナイフは牛刀と同じ万能型の小さい包丁という形なので、調理用の仕様で価格も高く、本格的なものが多くなっています。
調理としても使うのであればペティナイフ選んでいただいた方がいいですし、調理はせず、テーブル上でフルーツの皮剥きなどに使うようでしたら、安いフルーツナイフを選んでいただいていいと思います。
【フルーツナイフ 】
- 値段が安くて鈍角
- 鞘付きであることが多い
- テーブル上のフルーツの皮剥きに便利
- ペティナイフの代用は望めません
ピーリングナイフとは?
「ピール」とは皮の部分のことを言います。ですので、ピーリングナイフは皮を薄く剥くための包丁になります。
ピールは香りづけなどに使うので、できるだけ皮の表面だけを薄く切り取って使います。その作業を効率よく行うための形がピーリングナイフの形状となっています。
例えば、レモンの表面の皮をペティナイフで剥くと、刃が真っ直ぐなので皮が厚く剥け、皮の白い部分もとても多くなってしまいます。
レモンの皮は香り付に使われますが、皮に厚みがあると食感にも影響が出てしまいます。刃にカーブがついていた方がレモンの形に刃が合うので、薄く表面だけを剥くことができるのです。
海外では飾り切りや、じゃが芋を剥いたりすることにも使われていて、ピーリングナイフは一般的な包丁となっています。
【ピーリングナイフ】
- 皮を薄く剥くための包丁
- 皮の表面だけを薄く切り取りやすい
ピーリングナイフとピーラーの違いは?
ピーラーも皮剥きという点では同じですが、刃が真っ直ぐになっています。
そうすると必然的にペティナイフで剥いてる状態と同様になってしまいます。
つまり、ピーリングナイフはピーラーよりも薄皮剥きや飾り切りができる形、と言うことになります。
【ピーラー】
- 手軽に皮が剥けます
- 薄皮剥きや飾り切りはできません
葉物野菜を切るのに便利な、菜切り(薄刃)包丁
こちらは野菜専用の包丁で、「菜切り包丁」になります。
【菜切り包丁】
- 野菜専用の包丁
- 桂剥きが綺麗に剥きやすい
- 千切りに便利
三徳包丁は菜切り包丁から生まれているので、形状は近いですが、菜切り包丁は刃が真っ直ぐになっています。
刃が真っ直ぐですと、桂剥きが綺麗に剥きやすくなります。三徳包丁や牛刀は先端に向かって刃が反っていくので綺麗には剥けません。
また、千切りも刃がまな板に真っ直ぐあたるので、菜切り包丁を使用した方が切りやすくなります。
ですが、必ず菜切り包丁ではないと切れない、という訳ではなく、三徳包丁や牛刀で代用ができます。しかし、桂剥きや千切りなど、野菜を上手く調理したいという場合であれば菜切り包丁をお勧めしています。
実は小川さんも愛用中の菜切り包丁
菜切り包丁は野菜用の包丁ですが、実は日常の調理で使っても問題ありません。刃が真っ直ぐで調理しやすい面もあります。
実は肉を切るのに菜切り包丁は便利で、特に鶏肉をさばく時は使いやすいです。例えば皮付き鶏むね肉は、皮がよく切れないことが多いと思います。「肉の身は切れてるんだけど、皮だけ切れてなくてもう一回切る」という経験がある方も多いと思いますが、刃が真っ直ぐですと肉と皮が一緒に切れます。ですので、特に鶏肉の調理ではとても便利に使えると思います。
それぞれのご家庭・使う人に合わせた包丁
私は普段、主にペティナイフで調理を行っています。
お話にある通り、小型の万能包丁として活躍していますが、千切りは苦手なのでスライサーを活用しています。
ペティナイフは私の体格に合っていてとても使いやすく、苦手を補うスライサーとの併用はこの先も続きそうです。
また、実家では農家と言うこともあってか、菜切り包丁が普段から活躍しています。母や祖母が白菜やキャベツなどの大きい野菜をザクザク切っているのは日常的で、大根を桂剥きしたり、玉葱をみじん切りしていた姿も浮かびます。
それぞれの家庭や、使う人に合わせた包丁を選ぶことで、料理をより快適にすることがでると思います。
皆さんも自分に合った包丁スタイル、見つけてみませんか?
藤次郎ナイフギャラリーのご紹介
お話を伺わせて頂くのにお邪魔した藤次郎ナイフギャラリーは、藤次郎株式会社様の製品に見て触れて楽しむことができる施設です。
製品を実際に手にとってご覧いただけるだけでなく、キッチンスタジオで料理教室に参加したり、メンテナンスルームで包丁の状態を確認したりと、多目的に藤次郎製品と関わっていただくことのできる複合施設となっております。
藤次郎ナイフギャラリー
開館時間:10:00~18:00(工場見学は17:00まで)
https://tojiro.net/openfactory/
定休日:日・祝日
連絡先:0256-93-4195
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