どこか懐かしいホーロー素材のお鍋。
見せ置きしてもインテリアになじむアイテムです。
ホーロー(琺瑯)とは、金属の表面にガラス質を高温で焼き付けたものです。
- 耐久性、耐熱性、耐酸性にすぐれている
- においがつきにくい
という特徴がある反面、
内面にふっ素樹脂加工などの「こびりつきにくい」コーティングをしている鍋より食材が焦げ付きやすいという面もあります。
焦げ付きを繰り返すことで、食器用洗剤では落とせない着色汚れ(黒ずみ)がついてしまうこともあります。
そこで今回は、ホーロー鍋のお手入れ方法を写真付きでご紹介します!
ホーロー鍋の焦げ付きの落とし方
ホーロー鍋が焦げ付いてしまったら、まずはお湯でふやかす方法で焦げ付きを落としてみましょう。
お湯でふやかす落とし方
まずスポンジと食器用洗剤で、落とせる汚れを落としておきます。
スポンジと竹製のヘラを使い、ある程度の焦げ付きは落とせました。
…が、少し目立つ焦げが残ってしまいました。
以上の「お湯で焦げ付きをやわらかくする方法」で残ってしまった焦げ付きは「重曹」を使ってお手入れしましょう。
重曹を使った焦げ付きの落とし方
重曹は「弱アルカリ性」の炭酸水素ナトリウムです。「酸性」の汚れを落としたり、研磨効果、消臭効果もあります。焦げ付き落としにも効果があります。
①焦げ付きが浸る程度の水を入れ、小さじ2程度の重曹粉末を加えて火にかけます。
③鍋の中の水を捨て、スポンジに中性洗剤をつけて焦げ付きを洗い落とします。
※重曹の量は市販の掃除用重曹のパッケージに表示されている分量を参考にしています。
※重曹水を直接手で触ると手荒れの原因となる場合もあるので、心配な方はゴム手袋をご使用ください。
重曹を使ってガンコな焦げ付きをスッキリ落とすことができました!
ホーロー鍋の着色(色素沈着)の落とし方
使い込んでいくうちに付いてしまった着色汚れ…。
放っておいてしまった焦げ付きや、蓄積された黄ばみは食器用洗剤では落とせません。
着色汚れを落とすには、汚れの程度によって2通りの方法があります。
- 軽微な着色汚れ→メラミンスポンジ
- ガンコな着色汚れ→重曹(粉末)
では、それぞれの方法をご紹介していきます。
メラミンスポンジを使った落とし方
メラミンスポンジは、洗剤いらずで水だけで汚れが落ちるスポンジです。黄ばみのような軽微な着色汚れはメラミンスポンジで落としてみましょう。
①メラミンスポンジは小さめに切り分けて使います。
メラミンスポンジを使って黄ばみ汚れを落とすことができました!
しかし!色の濃いガンコな着色汚れは、メラミンスポンジでこすっても落とせませんでした…。
このような「メラミンスポンジで落ちないガンコな着色汚れ」は次の手段、「重曹」を使ってお手入れしましょう。
なぜメラミンスポンジで汚れが落ちるの?
メラミンスポンジは、メラミン樹脂をミクロン単位で発泡させたメラミンフォームという材質でできています。
細かな網目構造で汚れを落としますが、ヤスリのように汚れを削り落としていくものなので、細かい傷が残る可能性があります。使いすぎには注意しましょう。
重曹を使った落とし方
メラミンスポンジでは落ちない着色汚れには重曹を使ってみましょう。
①着色汚れが浸る程度の水を入れ、小さじ2程度の重曹粉末を加えて火にかけます。
②沸騰したら火を止めて数時間おきます。今回は2時間程度おいてみました。
③鍋の中の水を捨て、スポンジに中性洗剤をつけて洗います。
※重曹の量は市販の掃除用重曹のパッケージに表示されている分量を参考にしています。
※重曹水を直接手で触ると手荒れの原因となる場合もあるので、心配な方はゴム手袋をご使用ください。
重曹を使ったお手入れ1回目終了!
全体的な黄ばみはするっと消えましたが、底面に一部着色汚れが残ってしまいました。
着色汚れが一度で落ち切らない場合は、もう一度重曹を使ったお手入れを繰り返しましょう。
④重曹お手入れ2回目です。①〜③を繰り返します。
1回目より水のかさは浅めですが、重曹の量は小さじ2入れます。火にかけ、沸騰したら火を止めておいておきます。
重曹を使ったお手入れ2回目終了!
ガンコだった濃い着色汚れもスッキリ落ちました。
なぜ重曹で焦げ付きや着色汚れが落ちるの?
重曹は水と混ざることで弱アルカリ性を示し、脂肪やたんぱく質(焦げ・汚れのもと)と反応することで加水分解を起こします。
この重曹水を加熱すると炭酸ガスと二酸化炭素が発生します。
重曹と水で分解された焦げ・汚れが、炭酸ガスの効果で浮き上がる仕組みで焦げ・汚れを落とすことができます。
ホーロー鍋を焦げ付かせず、長持ちさせる使い方
愛着の湧いたホーロー鍋はできるだけ長く使いたいですよね。どのように使えば長持ちさせることができるのでしょうか?
ホーロー(琺瑯)とは、金属の表面にガラス質を高温で焼き付けたものです。 表面がガラス質なので、急な温度変化や衝撃を与えないようにご注意ください。
具体的な使用ポイントはこちら。
- 空炊きをしないでください。本体の変形、ホーローのひび割れやはがれの原因になります。
- 鍋底に食材がくっついた状態も局部空炊きとなり、焦げ付きの原因だけでなくホーローのひび割れやはがれにつながります。鍋底に具材が密着しないよう、かき混ぜながら調理しましょう。
- 炒め物、煎り物料理には使用しないでください。これも焦げ付きの原因だけでなく、ホーローのひび割れやはがれの原因になります。
- 急冷もホーローのひび割れやはがれの原因になります。自然に冷めるのを待ちましょう。
以上のように表面のキズつきや空炊きに気をつけていただくと、長くお使いいただけます。
さらに詳しくホーロー製品の使い方をご紹介▼
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ホーロー鍋の「サビ、ヒビ割れ、はがれ」はどうしたらいい?
ホーロー鍋にサビが出てしまったり、サビ、ヒビ、はがれがある!そんなときはどう対処すれば良いのでしょうか?
製品本体は鉄板を加工し、その表面にホーロー加工が施されています。ホーローの特性上、鉄板の端部にはホーロー釉薬がかかりにくいため、サビが発生しやすくなっています。
●サビが発生した
できるだけ早めにスポンジ等で洗い落としてから水気を拭き取り乾燥させてください。
また、ホーローのヒビ割れやはがれもサビ発生の原因になります。
●ホーローにヒビ割れができた
ヒビ割れした鍋は、割れが広がる場合があります。ご使用は控えて頂くようお願いします。
●内面のホーローが欠けた
食物に関するところですので、ご使用は控えて頂くようお願いします。
●外面のホーローが欠けた
面積が小さい場合はそのままご使用頂いても問題ありません。
ホーロー鍋のお手入れの際の注意
ホーロー鍋の日常的なお手入れでもいくつかご注意いただきたいポイントがあります。
●食器洗浄機、食器乾燥機には使用しないでください。
●スチールたわし、磨き粉等を使用しないでください。
表面を傷つけ、ヒビ割れやはがれの原因になります。
●鍋ごとつけおき洗いはしないでください。
取っ手内部や、リング巻している製品ではリング内部に水が入り、サビ発生の原因になります。
リング巻部分は、ご使用後に柔らかい布等で水気を拭き取り、乾燥させてから収納保管してください。
最後に
お手入れ方法は参考になったでしょうか?
ホーロー鍋表面の「ガラス質」は、ふっ素樹脂加工などと比べ摩耗しにくいため、使用方法・お手入れに気をつけていただくと長くご使用いただけます。
焦げついたり、着色汚れが気になってきたら、またこのコラムを参考にお手入れしてくださいね。
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