料理は自己流!でやってきたけれど…。
お料理のきほんの「き」シリーズということで、前回は計量スプーンの正しい使い方を紹介しました。今回は、和食を美味しく作るために大切な「出汁の取り方」について学んでいきましょう!
なぜその工程が必要なのか理由を知ると、更に美味しく作ることができると思います。
心配することはありません!これを機に、お料理のきほんの「き」を身につけてみましょう。
そもそも、出汁(だし)って何?
出汁とは、うま味の出る材料を煮出したり、水に浸してうま味成分を引き出した「汁」の事です。
煮物など、様々な料理のベースになります。特に和食にとって大事な役割を果たしています。
出汁といえば昆布やかつお節で取ったものを主にさしますが、海外にも同じ役割をするものがあります。例えば、中華料理では湯(タン)、西洋料理ではブイヨン、スープストックなどです。
次に、だしを取る主な材料の説明をしていきます。
かつお節
かつおの身を節におろして茹で、乾燥、成形、カビを付けたもの。これを削ったものを削りがつおと呼びます。うま味成分イノシン酸を多く含みます。
だし昆布
出汁用の昆布のことで、利尻(りしり)、羅臼(らうす)、真昆布などがあります。肉厚で幅が広いものが良いとされています。
煮干し
いりこ(炒子)のこと。魚介類を乾燥させたもので、主にいわし類を使用します。よく乾燥されている物を選びましょう。煮干しには、カルシウムが豊富に含まれており、食卓に欠かせない食べ物です。豊富な食物繊維や、うま味成分のグアニル酸を多く含みます。
干し椎茸
椎茸を乾燥させたもの。うま味が濃く、つくだ煮や煮物に使われます。水で戻した後の戻し汁にもうま味があるので、出汁として使用できます。
出汁の種類と取り方
出汁には大きく分けて、一番だし、二番だし、いりこだしの3種類があります。
今回は一番だし、二番だし、いりこだしの特長と取り方を学んでいきましょう!
一番出汁の特長
昆布とかつお節を使い、一番に取っただしのことです。香り高いので、お吸い物や蒸し物のかけ汁など、出汁の味を存分に楽しむ料理に使います。澄んだ黄金色をしていると、美味しい出汁が取れたという証です。
一番出汁の取り方
①固く絞ったキッチンペーパーで拭く
昆布を固く絞り濡らしたキッチンペーパーで拭き、繊維に逆らって切込みを入れる
②水につける
水に浸け30分くらいおく。
③弱火で加熱する
弱火でじっくり加熱し、沸騰直前で昆布を取り出す。
④削りかつおを入れる
汁が煮立ったら火を止め、削りかつおを入れる
⑤再び火にかける
再び火をかけ、再沸騰したら弱火で1~2分煮出す
⑥濾す
濡らして固く絞った布で濾(こ)す
二番出汁の特長
一番出汁を取った後の昆布と削りかつおを鍋に戻し、水を加えて煮出したものです。
新しい削りかつおを足して風味を補う事もあり、これを「追いがつお」といいます。味噌汁、煮物などに使います。
二番出汁の取り方
①水を加える
一番だしを取った後の削りがつおと昆布を鍋に移し、水を注ぐ
②中火で加熱する
中火で沸騰させ、一度火を止め、新たに削りかつおを加える
③弱火で煮出し、濾す
弱火で5分程度煮だして、濡らして固く絞った布で濾(こ)す
いりこだしの特長
乾燥させた煮干しを鍋で炒り、煮出したものです。具材の多い汁物や、そばつゆなどに使います。
いりこだしの取り方
①煮干しの頭とワタを取る
煮干しは頭を取り除き、背中から左右に割きはらわたを取る
②煮干しを炒る
鍋に煮干しを入れ、香りがするまで炒り、火を止めて水を入れたら20分ほど浸ける
③弱火で煮出し、濾す
火にかけ、沸騰後弱火で煮出し、濡らして固く絞った布で濾(こ)す
日本人が発見した「うま味」とは?
味には、甘味、塩味、酸味、苦味、旨味の5種類あります。
うま味は5基本味の1つで、なんと日本人が発見した味覚です!
うま味をおいしく感じる為には、幼少期に出汁の味に触れていないと、感じることが難しいそうです。小さいころから出汁の味に慣れ親しんでおくことが大切です。
また、うま味は調味料の役割も果たすので、塩分を控える味付けにも役立ちます。
少しの手間で「おいしい!」は作れる
最後まで読んでいただきありがとうございます。みなさま、忙しい毎日を過ごしている事と思います。そんな中で、毎日出汁を取ることは難しいかもしれません。
お正月や何かの節目があるときには、今回学んだ方法を実践して頂ければ嬉しいです。きっと、心が豊かになるはずです。
出汁の取り方は些細かもしれませんが、長い人生において知っているのと知らないのとでは差が付くかもしれません。正しい方法を知ってこそ、料理の味が格段によくなります。次回もお料理のきほんの「き」をお届けします。
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