白湯(さゆ)とは、水を一旦沸騰させた後、50〜60度程度まで冷ました飲み物です。健康や美容によい影響を与えるとして、コロナ禍をきっかけに近年話題になっています。
白湯作りに欠かせないのがケトルや鍋。今回は、「ステンレスケトル」と「ホーロー鍋」について、白湯作りにどちらが適しているか比較してみました。沸騰までの時間や、適温に下がるまでにかかる時間など、ぜひ参考にしてみてください。
ステンレスのメリットとデメリット
⚫︎メリット
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サビに強くて衛生的
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保温性が良く冷めにくい
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丈夫で壊れにくい
丈夫で美しく清潔感があるステンレス製の調理器具は扱いやすく人気。ステンレスは「サビに強くて衛生的」「保温性がよく冷めにくい」「丈夫で壊れにくい」という特徴があります。ステンレス製のケトルはホーローケトルと比べると比較的軽く、安価な商品も多いので、初心者に向いています。
⚫︎デメリット
- 酸やアルカリに弱い
- 変色
酸性や塩分の強いものを鍋の中に長時間入れておいたり、ケトルを洗わずに何回もお湯を沸かすと、錆びることがあります。また、少量で沸騰させると、水が入っていない部分が高温となり変色してしまう場合があります。(詳細はこちら)
▼ステンレスのお手入れ方法は、下記を参考に。
今回はステンレス鍋のメリット・デメリット、一生モノにするために気をつけたいことを解説します。 「ステンレス鍋を買ってみようかな?」「ステンレス鍋を買った/貰ったんだけど、どうやって使ったらいいの?」 という方の参考になれば幸いです。[…]
ホーローのメリットとデメリット
⚫︎メリット
- においがつきにくく衛生的
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酸やアルカリに強い
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表面が艶やかでオシャレ
ホーロー(琺瑯)は金属の表面にガラス質を高温で焼き付けたものです。表面がガラスでできているため、汚れがつきにくくお手入れもカンタンです。艶やかで、オシャレなデザインの商品も多く、見た目にもこだわりたい方にオススメです。
⚫︎デメリット
- 衝撃や急な温度変化に弱い
- 鉄板の端部にサビが発生しやすい
- 価格が高い
ホーローはステンレスと比べると衝撃(傷など)や温度変化に弱く、取り扱いに少し気を使う必要があります。また、ステンレスより重く、お手入れをする時は少しネックになります。価格もやや高めなので、初心者には少しハードルが高い素材かもしれません。
▼ホーローのお手入れ方法は、下記を参考に。
ホーロー(琺瑯)素材はお鍋、保存容器、ケトルなどによく使われます。他の金属にはないツヤっとした光沢感が可愛らしく、どこか懐かしさもありますよね。 においがつきにくかったり、耐久性が高く長く使える点が特徴。しかし表面はガラス質のため衝撃に弱[…]
実際に使って比較してみた
白湯は不純物を取り除くため、沸騰後10〜15分程度沸かし続ける必要があります。忙しい時間の中で、「ステンレスケトル」と「ホーロー鍋」で、どちらが手間なく作れるか比較しました。サイズも小さく、板厚も薄いステンレスケトルの方が、沸くのも冷めるもの早そうですが…意外な結果となりました。
◆検証の条件:室温15度環境下で、800mlの水道水を入れ中火(ガスコンロ)にかける。沸騰後、蓋をせずに15分程度加熱。白湯完成後は、蓋をせずに卓上に置き冷ました。
◆今回使用したケトルと鍋
RB-1268
・材質:ステンレス鋼
・満水容量:約1.5L
・重量:約430g
・底面の板厚:約0.5mm
・口径:約12cm
MB-2161
・材質:ホーロー
・満水容量:約2.2L
・重量:約1,000g
・底面の板厚:約1.0mm
・口径:約14cm
沸騰するまでにかかる時間
約6分10秒
適温に下がるまでにかかる時間
リラカン IH対応広口ケトル (ステンレスケトル) |
rinto IH対応ホーローマルチポット |
|
800mlから作れた白湯の量 | 約514ml | 約433ml |
5分後 | 80.7℃ | 73.5℃ |
10分後 | 69.8℃ | 60.3℃ |
15分後 | 63.0℃ | 52.6℃ |
20分後 | 57.7℃ | 47.4℃ |
60度になった時間 | 18分10秒 | 10分10秒 |
コンロから下ろし、蓋をせずに放置。60度まで下がるのにかかった時間は、ホーロー鍋の方が約8分も早い結果となりました。800mlから作れた白湯の量は、ステンレスケトルの方が約80ml多かったです。
ちなみに、作った白湯が同量の場合でも、ホーロー鍋の方が約4分30秒早く冷める結果となりました。
リラカン IH対応広口ケトル (ステンレスケトル) |
rinto IH対応ホーローマルチポット (ホーロー鍋) |
|
★白湯の量 |
約433ml | 約433ml |
5分後 | 77.9℃ | 73.5℃ |
10分後 | 66.4℃ | 60.3℃ |
15分後 | 58.9℃ | 52.6℃ |
20分後 | 53.3℃ | 47.4℃ |
60度になった時間 | 14分40秒 | 10分10秒 |
注ぎやすさ
注ぎ口が広く、ボトルにやや注ぎにくい。
お手入れのしやすさ
約430g。軽くて丈夫なので、安心して洗える。
約1,000g。重いので洗うのが少し手間。
キッチンでの見映え
「やかん」感がある。
色が美しく、魅せ置きしたくなる。
めんどくさい白湯作りの時短術
朝はできるだけ寝ていたい、洗濯など他の家事もあるので時間がない!など、ゆっくり白湯を作る時間がないという方は、下記のような方法がオススメです。
前日の夜に作る
夜、寝る前にケトルや鍋で白湯を作り、沸騰したらそのまま真空断熱構造のステンレスボトルや卓上ポットに入れましょう。寝ている間に適温まで下がるので、朝はコップに注いで飲むだけでOKです。(ぬるい場合は、耐熱カップなどに移し替えレンジで再加熱しましょう。)
また、白湯を作った後は鍋ごと冷蔵庫で冷やしておき、飲む分だけレンジで温めるという方法もあります。(※鍋での保存は1日を目安に)
レンジや電気ポットで作る
すでに不純物が取り除かれている水(市販のペットボトル水や、浄水器の水、スーパーなどにある給水サービスの水など)がある場合は、レンジで温めるだけでOKです。
コップ1杯約200mlの場合、電子レンジ(600W)で1分20秒程度加熱すれば、約60度になります。
また、一度にたくさんの白湯を作りたい場合は、電気ポットに注いで加熱すればOK。保温もできるので一石二鳥です。
※ご使用の電子レンジにより加熱時間が若干変わりますので、ご注意ください。
まとめ
最後に、白湯作りをする際の、「ステンレスケトル」と「ホーロー鍋」のメリットとデメリットを一覧にまとめました。
リラカン IH対応広口ケトル (ステンレスケトル) |
rinto IH対応ホーローマルチポット (ホーロー鍋) |
|
沸騰までの時間 | 約6分40秒 | 約6分10秒 |
800mlから作れた白湯の量 | 約514ml | 約433ml |
適温(約60度)まで下がる時間 | 約18分10秒 | 約10分10秒 |
耐久性 | ◎ | △(割れやすい) |
お手入れのしやすさ | ◎ | ⚪︎(汚れ落ちはいいが、重い) |
価格 | ⚪︎ | △(比較的高い) |
デザイン | ⚪︎ | ◎ |
こんな方にオススメ! |
・とにかくラクさを求める方 ・白湯をボトルなどで持ち運ぶ機会が多い方 |
・見た目もこだわりたい方 ・自宅で白湯を飲む機会が多い方 |
沸くのも冷めるのも早いのはホーロー鍋の方でした。しかし、ステンレスと比べると、割れやすく重いのがデメリットです。ステンレスケトルとホーロー鍋、どちらも一長一短あるので、ご自身のライフスタイルに合わせて選んでみてはいかがでしょうか?
また、ケトルと鍋、どちらの形状がいいか。についてですが、「もしかしたら白湯生活続けられないかも…」と心配な方は、他の用途にも使える「鍋」を選ぶことをオススメします。今回紹介したマルチポットは、沸かす意外にも、「煮る」「茹でる」「炊く」「揚げる」「和える」「保存」と7役も使え、普段のご飯作りにもきっと役立ちますよ。
関連商品
商品サイズ | 約20.3×13.7×21.3cm |
重量 | 約430g |
材質 |
本体:ステンレス鋼(クロム18%・ニッケル8%) |
満水容量 | 約1.5L |
原産国 | 中国 |
商品サイズ | 約250×170×150mm 蓋を除いた高さ 約125mm |
重量 | 約1,000g |
材質 | 本体:ほうろう用鋼板 表面加工:ほうろう ハンドル:フェノール樹脂 蓋:全面物理強化ガラス |
満水容量 | 約2.2L |
原産国 | タイ |
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