「フライパンの種類、たくさんあってよく分からないなぁ…」と感じた経験はありませんか?
その原因は「いろんなコーティング名のせい」かもしれません。
当社は年間350万枚以上のフライパンを販売しています。
とりわけコーティングは、見た目だけでは使い心地などの説明が難しいものです。
そこで今回は、
- コーティングの種類・特徴
- コーティング種類別おすすめ製品
をご紹介します!
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ふっ素樹脂加工とは?
内面加工フライパンの多くに使われているのが
「ふっ素樹脂加工」です。
ふっ素樹脂加工は古くから「テフロン加工」の呼び名で親しまれています。
テフロンはデュポン社の商標であり、ふっ素樹脂加工の商品名の1つです。
追記:現在は、デュポン社から分社化した「ケマーズ社」が、テフロンの商標を所有しています。
マーブルコート、ダイヤモンドコート、ハードコートといった呼び名もすべてふっ素樹脂加工の仲間です。
※PRESIDENT STONE(プレジデントストーン)はハードコートの一種です。
ふっ素樹脂は、1938年に米国化学メーカーのデュポン社(テフロンの商標を持っている企業)が、冷却用物質を研究していた時に発見したものです。これを調理器具に応用しました。
日本では、1965(昭和40)年に初めてふっ素樹脂コーティングをしたフライパンが発売されました。
現在では、ふっ素樹脂はフライパン、鍋のほか、炊飯器の内がま、ホットプレートやオイルポットなどの調理用具、ガスレンジの天板など、台所にある多くの製品に使われています。
ふっ素樹脂のコーティング方法
一般的なふっ素樹脂加工は、フライパンの形に成形したアルミニウム合金に、特殊下地処理(ブラスト処理)を施します。
その上にプライマー(下地)、中間コート、トップコートといったように、何層かに分け表面を塗装していきます。
製品によっては「5層コート」など層を増やし、耐摩耗性(* )や耐久性を高めています。
このような
「コーティングの種類」や「加工方法の違い」
によって、
「マーブル」「ダイヤモンド」「ふっ素」など
たくさんの種類のコーティング名が存在するのです。
(* )コーティングのすり減りに耐える性能のこと
耐摩耗試験XX万回クリアとは?
「耐摩耗試験XX万回クリア」という表記をしている製品もあります。
▼耐摩耗試験20万回クリアの表示
耐摩耗試験とは、フライパンのコーティング強度を調べる検査のことです。
当社ではJIS耐摩耗試験に準じた方法で外部委託し検査しています。フライパンを試験機に設置、ターナーを前後に動かし、コーティング面を観察します。
耐摩耗試験のクリア回数をフライパン選びの基準にしていただいても良いと思います。
ですが、耐摩耗試験の回数が少なかったり、表記がなかったとしても、性能が劣っているわけではありません。
もっともベーシックであり、お手頃価格の「ふっ素樹脂加工」でも、通常お使いいただくには必要十分な機能を持っています。
グレードの高いコーティングであっても、使い方によっては早く摩耗してしまうこともあります!
ふっ素樹脂加工を長持ちさせる使い方は後述します。ぜひご参考ください。
おすすめふっ素樹脂加工製品
ここからは近年よく使われているコーティングと、おすすめ製品をご紹介します!
①ハードコート
※ハードコートの一種「プレジデントストーンコート」のマーク
ハードコートを使用しているフライパンは、ツールを選ばずに使いたい方におすすめです。
下地塗装に「セラミック粉」などの硬い材質を混ぜ込みました。
金属ツールを使っても傷がつきにくく、摩耗に強いコーティングです。
②マーブルコート
マーブルコートのフライパンは、すべりの良さ・耐久性のどちらも欲しい方におすすめです。
ハードコートの一種で、表面にはんてん状にふっ樹脂を塗ることでマーブル(大理石)模様を作っています。
マーブル模様が表面に細かな凹凸を出し、食材との接地面を少なくするため、すべり性と耐久性が向上します。
③ダイヤモンドコート
ダイヤモンドコートのフライパンは、内面加工をできるだけ長持ちさせたい!という方におすすめです。
ハードコートの進化版といえるコーティング。ふっ素樹脂にダイヤモンドの微粒子粉末を入れたものです。
硬いダイヤモンドの微粒子がコーティングを摩耗から保護し、耐久性に優れています。
④ふっ素樹脂加工
比較的安価で、機能としても十分。気軽に使う1枚が欲しい方におすすめです。
もっともベーシックな塗膜です。通常お使いいただくには十分な機能を持っています。
ただし塗膜の強度は高くありません。金属ツールを使うと傷つき摩耗しやすいため、鍋肌に優しい木・樹脂のツールを使用しましょう。
ふっ素樹脂加工のフライパン
ふっ素樹脂加工のフライパンを長持ちさせる使い方
ふっ素樹脂加工は、使い始めが100%だとすると、使っていくうちに90%、80%、、、とどんどん摩耗していくものです。
摩耗をゆるやかにするためには、使い方に気をつけましょう!
- 調理時は薄く油を引く
- 中火以下の火力で使用する
- 木、樹脂、シリコーン製のツールを使う
- 料理を保存しない
- 急冷しない
- やわらかいスポンジで洗う
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まとめ
比較的安価なふっ素樹脂加工でも十分な機能を持っています。また、どのようなふっ素樹脂加工でも「こびりつきにくく、汚れを落としやすい」という使用感は共通しています。
ハードコート、マーブルコート、ダイヤモンドコートなどはさらに強度・すべり性を高めたものとなります。
- ハードコート:摩耗に強い
- マーブルコート:すべり性と耐久性に優れる
- ダイヤモンドコート:耐久性に優れる
- ふっ素樹脂加工:塗膜の強度は他3種に比べ劣るが、通常使う分には十分
金属ツールでも摩耗に強い機能が欲しい場合はハードコート、
できるだけ長持ちさせたい場合はマーブルコートやダイヤモンドコート、
といったように、欲しい機能を選んでいただくと良いかと思います。
また、ふっ素樹脂加工はいずれ摩耗していくものです。使い方次第で長持ちさせることができますので、ぜひお試しくださいね。
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