メーカー直伝!フライパンの主な材質3種類の特徴、使い分けを徹底解説

フライパンの材質は主に3種類あります。

  • アルミ(内面コート加工)

です。

他にもステンレスチタンといった材質も使われますが、一般家庭で使用するにはハードルが高いので今回は省略します。
ステンレスフライパンは、アルミを挟み込んだ「三層鋼」などの材質がほとんどです。ステンレスとアルミのハイブリッドといえます。

今回は本体の大部分に一種類の材質を使い、かつご家庭でも扱いやすい材質に絞って解説します。
各材質のメリット・デメリットと、使用上・お手入れ上の注意を比較しながら解説しますのでぜひチェックしてみてくださいね。

アルミフライパン(内面コート加工)のメリット・デメリット

アルミは比重が軽い金属のため、同じサイズの鉄製、銅製フライパンよりも軽くなります。

そして熱伝導が良い金属でもあります。フライパンが早く温まるので時間を無駄にしません。

また、アルミフライパンの多くは表面に「ふっ素樹脂加工」や「セラミック加工」などの内面コート加工を施しています。
内面コート加工により材料がこびりつきにくく、汚れを落としやすくなります。

汚れを落としやすい内面コート

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和平フレイズのフライパン

一方、アルミ製フライパンのデメリットは「消耗品」であること。
内面コートは徐々に摩耗し、だんだんとこびりつきやすくなってしまいます。
半永久的に使うことは不可能で、いずれ買い替えどきがきてしまうのです。

とは言っても鉄や銅よりも手軽に使えることから、一番シェアが高く、ご家庭に一番普及している材質です。

 

「IH対応」と表記があるフライパンはIHクッキングヒーターでご使用いただけます。
また、フライパンの裏面(底面)に磁石がくっつくとIH対応です。

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業務用向きのアルミフライパンとは

表面加工をしていない無垢のアルミフライパンもあります。

量販店での取り扱いは少なく、かっぱ橋道具街などにある業務用調理用品の取扱いが中心のお店でよく見かけられます。

無垢のアルミフライパン

本体自体が軽く熱伝導が良い反面、表面加工がなくこびりつきやすい製品です。
水分・油分の多い調理に向いており、イタリアンレストランなどの業務用として使われています。

鉄フライパンのメリット・デメリット

鉄フライパンは優れた蓄熱性を持っています。
熱をしっかり蓄えるので
野菜はシャキシャキな仕上がりに、お肉は外はカリッと中はジューシーに焼き上げ、旨味を逃がしません。材料の味を生かした調理ができます。

鉄フライパンでステーキ

また、耐熱性、耐久性にも優れており、正しくお手入れをすることで永くお使い頂けます。

一方で、鉄は比重が重い金属のため、アルミと比べ1.5倍程度重くなってしまいます。
※板厚やハンドルの素材によって変動します

また錆びやすい金属でもあります。アルミのように内面コートを施していないので焦げ付きやすくもありますが、
「油ならし」「油返し」といった作業をしていただくことで錆びにくく、焦げ付きにくいフライパンへと育ちます。

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たわしで汚れを落とす

 

鉄フライパンは底面直径が小さすぎない限り、いずれもIHクッキングヒーターでご使用いただけます。
※当社の場合、13cm以上のものを条件としています。

鉄フライパンはアルミフライパンに次いでシェアがあり、量販店でもよく販売されています。

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銅製フライパンのメリット・デメリット

銅製フライパンはフライパンの材質の中でもっとも熱伝導に優れています。

熱伝導に優れるということは、熱が早く・柔らかく・まんべんなく伝わるため、熱ムラが少なくなります。
熱ムラが少ない=熱を均一に伝えるため、玉子焼作りに最適と言われているのです。

パンケーキも綺麗な焼き目でふっくらと焼き上げることができます。

銅のフライパンで焼いたパンケーキ

銅は屋根材に使われるほど丈夫な素材のため、適切にお手入れすることで永くお使いいただけます。

一方で銅フライパンは、銅自体の価格が高いことや、職人技による加工が施されることなどから製品価格が高くなりがちです。

また、外面が変色しやすく、内面はメッキが劣化すると緑青が発生します。
※緑青は無害な物質です。

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銅フライパンもアルミのような内面コートを施していないので、焦げ付きやすくなっています。こまめに油を引き、火加減は慎重に扱うことが大切です。

 

銅フライパンはIHではご使用いただけません。
ガスコンロ以外の熱源にはご使用いただけませんので、ご注意ください。

アルミ製、鉄製よりシェアは低いものの、銅製フライパンも健在です。
とくに玉子焼は、銅製で作るとふっくら美味しく仕上がりますよ。

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材質別・フライパンの使い方

材質によって使い方が異なります。それぞれチェックしていきましょう。

【アルミ】内面コートに優しく使いましょう!

アルミフライパンは調理全般にお使いいただけますが、天ぷら・揚げ物料理については本体高さ(深さ)が5.5cm以上のディープパンやいため鍋をご使用ください。
温度が急激に上昇し発火の恐れがあるためです。
※本体高さ5.5cm以上のフライパンでも、「深型」の表記がないものは”揚げ物不可”としています。(2023年12月11日追記)

アルミフライパンの使い方で一番気をつけたいのは「内面コートの劣化」です。
具体的には

  • 強火調理
  • 過度の空炊き、急冷
  • 金属ツールで傷がつく
  • 長時間に及ぶ料理の保存

といったことが内面コートの劣化につながります。
これらを避ければ内面コートを長持ちさせることができますので、ぜひお試しください。

フライパンには木のツールがオススメ

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ふっ素樹脂加工のフライパンを長持ちさせる使い方

【鉄】油を多めに使いましょう!

鉄フライパンもある程度の調理には対応しますが、「煮る・茹でる・蒸す」といった水分の多い調理はあまりおすすめしません。
なじんだ油が落ちたり、鉄の腐食につながるためです。

急に強火で熱すると本体が変形しやすいため、中火から徐々に火力を上げるように使いましょう。
また、油をしっかり使っていただくことでこびりつきにくく調理できます。

鉄フライパンに油を引く

アルミ製フライパンと同様に、鉄製フライパンも天ぷら・揚げ物料理はNGです。深型の鉄製中華鍋であればOKです。
※本体高さ5.5cm以上のフライパンでも、深型の表記がないものは”揚げ物不可”としています。(2023年12月11日追記)

料理の保存は鉄の腐食の原因となるため避けましょう。

【銅】内面メッキに優しく使いましょう!

銅フライパンは熱伝導の良さから、「焼き」専門の道具といえます。熱ムラを起こしにくく、材料に均一に火が通ります。

火加減にじゅうぶんご注意いただき、油をこまめに引いて焦げ付きを予防しましょう。
きれいな焼き目でふっくらと焼き上げることができますよ。

銅のフライパンで焼いたパンケーキ

銅フライパンは内面に「メッキ加工」を施しています。
銅は黒く変色しやすいため、食品衛生法により食品に接触する部分は全面錫メッキ又はニッケルメッキをすることが定められています。

メッキ加工は、金属製のツールで傷がついたり、塩分や酸等を含む食材に長時間触れることで劣化してしまいます。
そのため銅フライパンで調理する場合は

  • 木や樹脂といった鍋肌に優しいツールを使う
  • 調理物は別の容器に移す
  • 汚れを残さない

ということに気をつけましょう。

材質別・フライパンのお手入れ方法

お手入れ方法も材質によって異なります。それぞれ見ていきましょう!

【アルミ】洗剤とスポンジ

内面コート加工のアルミフライパンは食器用洗剤とスポンジを使って洗いましょう。

汚れを落としやすい内面コート

内面コートを傷つけてしまうため、たわし、スチールたわし、磨き粉、クリームクレンザー、重層の使用は避けましょう。

酢・クエン酸は、焦げ付いた所にピンポイントでご使用いただけます。
※多量の使用はアルミの腐食(サビ)につながるためご注意ください。

 

食洗機、食器乾燥機は着脱ハンドルタイプの本体(皿部分)のみご使用いただけます。

食洗機で洗える着脱ハンドルのフライパン

【鉄】たわしとお湯

鉄フライパンは基本的にたわしとお湯で洗います。
これは、油ならしでなじませた油膜を落とさないようにするためです。鉄フライパンは油膜ができることで焦げ付きにくく、錆びにくくなります。

鉄フライパンをお湯とたわしで洗う

洗った後は火にかけ水分を飛ばし、薄く油を塗って保管しましょう。

ひどい汚れには食器用洗剤を使ってもOKですが、洗剤使用後は必ず中火で加熱し水分を飛ばしてから「油ならし」を行なってください。

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たわしで汚れを落とす

【銅】緑青が出たら取り除く

銅製フライパンはスポンジと食器用洗剤で洗いましょう。

緑青(ろくしょう)は銅のサビのことです。
緑青が発生したら、酢に同量の塩を混ぜた溶液を布につけてこすり落とし、その後は食器用洗剤で洗ってください。
クリームクレンザーもご使用いただけます。

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熱伝導の良さなら銅フライパン

材質別の特徴をご紹介してきましたが、ここからは材質を比較してご紹介します。

まずは熱伝導です。いずれも熱伝導の良い素材ですが、あえて順位をつけるとこのようになります。

  1. 銅フライパン
  2. アルミフライパン(内面コート加工)
  3. 鉄フライパン

具体的にどんな料理におすすめかというと

銅製フライパン
パンケーキ、玉子焼など。
均一に加熱し、ふっくら仕上げたい料理におすすめ!
アルミ製フライパン(内面コート加工)
全般におすすめです。
鉄製フライパン
ステーキ、野菜炒めなど
材料の旨味を閉じ込めたい料理におすすめ!

銅製フライパンは「焼く」以外の調理が難しいため、いろんな調理をしたい場合は頻繁には使いにくいかもしれません。

調理もお手入れも手軽なため、日常的に使うにはアルミ製フライパンがおすすめです。
重くなりがちで、少しお手入れの手間もかかりますが、鉄製フライパンも日常的に使いやすい道具です。

くっつきにくさならアルミフライパン(内面コート加工)

材料のくっつきにくさ(焦げ付きにくさ)では、以下のようになります。

  1. アルミフライパン(内面コート加工)
  2. 鉄フライパン
  3. 銅フライパン

ふっ素樹脂など内面コート加工のアルミフライパンが一番くっつきにくい、というのは想像しやすいかもしれませんね。

鉄製フライパンを2位とした理由は、油がなじんでくると徐々にくっつきにくくなるためです。
そのためにも、油ならし・油返しの作業が重要です。

油をなじませている鉄フライパン

銅は鉄よりも油がなじみにくいです。
ご使用の度にしっかり油を引き、火加減に気をつけてご使用ください。

永く使えるのは鉄と銅

材質別に長持ち度合いも比べてみましょう。

  1. 鉄・銅
  2. アルミ(ふっ素樹脂加工)

鉄、銅フライパンは材質自体の耐久性が高いことと、内面コート加工がないぶん長くお使いいただけます。

鉄製フライパン
enzo鉄フライパン26cm
銅製フライパン
千歳銅フライパン

アルミフライパンは、内面コート加工が劣化したら買い替えどきです。

買い替えの目安は「焼きそばがこびりついたら」と覚えておきましょう!

まとめ

最後に、具体的な選び方をご紹介します!

  • 手軽さ重視
    →アルミ製フライパン
  • 美味しく焼きたい
    →銅製フライパン、鉄製フライパン
  • 長持ちするものがほしい
    →鉄製フライパン、銅製フライパン
  • なるべく安いものがほしい
    →アルミ製フライパン

    ※素材や製造方法により幅があります。

フライパン選びの参考になりましたら幸いです!

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